友情結婚は、恋愛感情や性的な関係にとらわれず、信頼できる相手と家族を築ける結婚のかたちです。うまくいっている夫婦の話を聞くと、とても魅力的に見えます。
その一方で、「思っていたよりしんどい」という声があるのも事実です。恋愛結婚とは違う種類の難しさが、そこにはあります。
結論からお伝えすると、友情結婚のしんどさの多くは、性格の不一致や選択そのものの失敗が原因ではありません。
「恋愛という感情のクッションがない状態で、共同生活のルールを運用し続けなければならないこと」
ここに難しさの本質があります。
この記事では、すでに友情結婚をしている方に向けて、しんどさの正体と対処法を。そして、これから友情結婚を考えている方に向けて、後悔しないための視点をお伝えしていきます。
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友情結婚とは何か

友情結婚とは、恋愛感情や性的な関係を前提とせず、信頼関係をベースに結ぶ結婚のことです。
「友情結婚」という言葉自体は比較的新しいものですが、選ぶ理由は人それぞれです。
たとえば、次のような方が友情結婚を選んでいます。
- 恋愛感情がわきにくい、いわゆるアセクシャルの方
- 同性を好きになるため、異性との恋愛結婚が難しい方
- 恋愛には強く興味がないけれど、家族や子どもは望んでいる方
- 婚活で恋愛感情を条件にすることに、疲れてしまった方
共通しているのは、「恋愛が結婚の必須条件だ」という価値観から距離を置いている、という点です。
世間的にはまだ珍しい選択かもしれませんが、当事者にとってはとても自然な、生きやすさのための選択なのです。
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友情結婚が「しんどい」と言われる5つの理由

友情結婚を続けていく中で感じるしんどさには、いくつかのパターンがあります。ひとつずつ見ていきましょう。
お金・生活費の分担で揉める
友情結婚では、共働きで、それぞれが経済的に自立しているケースが多く見られます。家賃や光熱費、食費をどう分担するかは、結婚前に話し合っておくべき大切なテーマです。
ただ、実際に暮らし始めると、当初のルールだけでは対応しきれない場面が出てきます。
たとえば、どちらかが体調を崩して働けなくなったときや、妊娠・出産で収入が一時的に減ったとき。
恋愛結婚であれば「支え合うのが当然」という空気が生まれやすいものですが、友情結婚では、その前提そのものを話し合って決めておく必要があります。
この「お金の話をあらためて切り出す」という行為自体が、想像以上に気力を使うものです。
家事分担のルールが曖昧になりやすい
同居する以上、家事の分担は避けて通れません。多くの友情結婚のカップルは、掃除・洗濯・料理などの分担をあらかじめ決めています。
けれど、細かい部分まではルール化しきれないことがほとんどです。
「作り置きを勝手に食べていいかどうか」
「片付けのタイミングはどうするか」
といった、日々の小さなズレが積み重なっていきます。
恋愛関係であれば、多少のズレも「まあいいか」と流せることがあります。しかし、友情結婚は運用型の関係であるぶん、小さな不満が処理されずに残りやすい、という側面があります。
恋愛・パートナー容認ルールが心理的負担になる
友情結婚の多くは、結婚前に「お互い、恋人やパートナーを作ってもよい」というルールを取り決めています。
これは友情結婚ならではの自由度であり、メリットのひとつです。
ただ、実際に相手にパートナーができたとき、頭では納得していても、気持ちがついていかないことがあります。
「自由にしていい」と決めたはずなのに、いざその場面になると寂しさや焦りを感じてしまう…この感情のズレを、誰にも相談しづらいという孤独感を抱える方は少なくありません。
不満を言うタイミングが掴みにくい
恋愛関係であれば、多少の衝突があっても「好きだから」という感情が関係を修復する力になります。
ですが、友情結婚ではその力学が働きにくいため、不満を伝えるタイミングそのものが難しくなります。
「これくらいのことで言うのは大げさかな」
「関係がぎくしゃくするのは避けたいな」
そうした遠慮が積み重なると、気づいたときには大きなストレスになっていることがあります。
実際に、月に一度など決まったタイミングで、お互いの不満や気になることを整理して話し合う場を設けている夫婦もいます。
感情的にならずに済むよう、意識的に仕組み化しているのです。
周囲(親・世間)への説明の負担
友情結婚は、まだ社会的に広く知られている結婚のかたちではありません。そのため、親や親戚、職場の人にどう説明するかで悩む方も多くいます。
すべてを正直に話すべきか、恋愛結婚のように見せるべきか。この判断そのものが、日々小さなストレスになります。
特に、セクシュアリティに関わる事情がある場合は、カミングアウトのリスクとも向き合うことになり、負担はより大きくなりがちです。
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しんどさを感じたときの対処法

ここまで読んで、「まさに自分のことだ」と感じた方もいるかもしれません。しんどさを感じたとき、どう向き合えばよいのでしょうか。
結婚前のルールを、定期的に見直す
結婚前に決めたルールは、あくまでその時点でのベストな取り決めです。生活が変われば、ルールも見直して当然だと考えてみてください。
「決めたことだから守らなければ」と思い詰めるのではなく、「今の暮らしに合っているか」を定期的に確認する時間を作ることが、しんどさを軽くする第一歩になります。
第三者に相談する
友情結婚特有の悩みは、一般的な夫婦カウンセリングでは十分に扱ってもらえないことがあります。
可能であれば、友情結婚に理解のある相談窓口や、同じ立場の人がつながれるコミュニティを探してみてください。
同じ経験をしている人に話を聞いてもらえるだけで、「自分だけがおかしいわけではない」と思えて、気持ちが軽くなることがあります。
「続ける/解消する」を判断する基準を持っておく
しんどさを感じるすべてが、関係を解消すべきサインというわけではありません。多くは、ルールの調整不足や、話し合いの機会不足が原因です。
一方で、話し合っても改善が見られない、自分の気持ちを押し殺し続けている、という状態が長く続いているのであれば、それは見直すべきサインかもしれません。
「調整で解決できる問題か」
「関係そのものを見直すべき問題か」
を切り分けて考えることが大切です。
友情結婚を検討している人へ・後悔しないための事前チェックリスト

ここからは、これから友情結婚を考えている方に向けた内容です。
しんどさの多くは「決めていなかったこと」から生まれます。結婚前にどこまで話し合っておけるかが、その後の暮らしやすさを大きく左右します。
以下のテーマは、できれば結婚前にすり合わせておきたい項目です。
| チェック項目 | 話し合っておきたいこと |
|---|---|
| お金の分担 | 生活費・家賃・光熱費の負担割合、収入が減ったときの対応 |
| 恋愛・性的パートナーの可否 | 交際を認めるか、認める場合のルール(自宅への訪問可否など) |
| 子どもについて | 持つかどうか、持つ場合の育て方や教育方針 |
| 介護・実家付き合い | お互いの親の介護をどこまで担うか、帰省や親戚付き合いの範囲 |
| 解消(離婚)時の取り決め | 財産の分け方、住居をどちらが引き継ぐか |
一つひとつは細かく感じられるかもしれません。ですが、恋愛感情という「なんとなく歩み寄れる土台」がないぶん、言葉にして決めておくことが、そのままお互いを守ることにつながります。
すべてを一度に決めきる必要はありません。「今の時点で決められること」と「暮らしながら調整していくこと」を分けて考えるくらいの気持ちで、無理なく進めていきましょう。
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友情結婚に向いている人・向いていない人

友情結婚は、誰にとっても正解になる選択ではありません。向き・不向きを知っておくことも、後悔を減らす一つの方法です。
🔶友情結婚に向いていると考えられるのは、次のような方です。
- 恋愛感情よりも、信頼関係や生活面の相性を重視したい方
- 家族や子どもは望んでいるが、恋愛そのものにはあまり関心がない方
- 物事を感情ではなく、話し合いで決めていくことに抵抗がない方
- 一人の時間や自分のペースを大切にしたい方
🔷一方で、次のような方には慎重な検討をおすすめします。
- パートナーには恋愛的な愛情表現を求めたい方
- ルールよりも、その場の空気や気持ちを大事にしたいタイプの方
- 話し合いや取り決めごとに強いストレスを感じやすい方
婚活そのものに疲れを感じている方の中には、「恋愛感情を条件にしない結婚」に安心感を覚える方も少なくありません。
ただ、恋愛感情の代わりに必要になる「言葉で伝え合う力」がどれくらい自分に合っているか、一度立ち止まって考えてみることをおすすめします。
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友情結婚は法律的に普通の結婚と同じですか?
はい。役所に婚姻届を提出すれば、法律上は一般的な結婚と同じ扱いになります。恋愛感情の有無によって、婚姻の効力が変わることはありません。
友情結婚でも子どもは持てますか?
持つことは可能です。ただし、性的な関係を前提としないケースが多いため、妊活の方法については事前に夫婦間でよく話し合っておく必要があります。
友情結婚から恋愛結婚に切り替わることはありますか?
暮らしていく中で、お互いへの気持ちが変化するケースもゼロではありません。ただし、それを前提に結婚を決めるのではなく、あくまで「今の関係性」を基準に話し合っておくことが望ましいでしょう。
友情結婚を専門にした結婚相談所はありますか?
友情結婚に特化したマッチングサービスや結婚相談所は存在します。恋愛結婚を前提とした一般的な婚活サービスとは異なるサポート体制が整っていることが多いため、検討する際は複数の情報を比較してみるとよいでしょう。
まとめ
友情結婚のしんどさは、選択そのものの失敗を意味するわけではありません。
多くの場合、恋愛という感情のクッションがない中で、生活のルールを言葉にして運用し続けることの難しさから生まれています。
今しんどさを感じている方は、まず「調整で解決できる問題か」「関係そのものを見直すべき問題か」を切り分けてみてください。
そして、これから友情結婚を考えている方は、事前のすり合わせを丁寧に行うことが、後悔を減らす一番の近道です。
どんな結婚のかたちであっても、大切なのは「自分がどう生きやすくなるか」という視点です。
友情結婚という選択が、あなたにとって心地よいものになるよう、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

